株式会社マスダック

生地づくりのポイント 比重のはかりかた

生地づくりのポイント 比重のはかりかた

前回のワッフルではかっていた比重…。どういう意味があるんだろう?そもそも比重ってなに??
今回は生地づくりのポイントのひとつ、比重について紹介してみます。

はじめに

いつも同じもの、誰がつくっても同じものにしたいとき、商品の出来上がりを左右する要素は色々あります。生地では温度、比重、粘度などが仕上がりや食感、サイズなどに影響します。
比重は「生地にどのくらい気泡が含まれているか」を示す数値になってくれます。(どら焼は泡立てないので、あまり関係ありませんね…)
スフレパンケーキやワッフルなど、ふわふわの軽い食感の生地などは比重が大切になってきます。

比重とは

比重とは、「容量100mlのカップに入れた水を1としたときの生地の重量」のことです。
色々な生地、配合によって適した比重があり、この比重を量ることによって、生地の状態が分かりやすくなります。
容器の重さを除いた生地の重さ÷100=比重
となります

比重のはかりかた

  1. 100mlカップを秤に乗せて、0gにします。
  2. 秤はそのままにして、パレットナイフなどで生地をとり少しずつカップに流し込みます。
    このとき、カップの中に空洞ができないように注意しましょう
  3. 最後にすり切ったら、カップを再び秤に乗せて重さをはかります。
    この重さが、生地の比重になります。
  4. ※容器は100mlでなくても計算で比重を求められます。

パレットナイフで生地を流し込む

すり切る

はかる

比重カップ。形は少し違いますが、どちらも水100mlが入るようになっています。

共立て法と別立て法

前回の記事でご紹介したワッフルは共立て法のレシピでした。
https://www.masdac.co.jp/media/archive/detail05/

共立てとは、全卵を泡立てて作った気泡で膨らませる生地で、なめらかで流れ落ちるような仕上がりが特徴です。
気泡のきめが細かく生地のつながりが良いので、程よい弾力のある生地に焼き上がります。35~40℃に加温すると卵黄に含まれる成分の乳化が促進されるため立ちやすくなります。

共立てに対し別立てとは、卵黄と卵白を分け、卵白で作るメレンゲに含まれる気泡で膨らませる生地です。メレンゲに含まれる気泡の量が全卵より多いので、共立てに比べてしっかりとした仕上がりになります。
気泡が大きく生地のつながりが弱いため、もろさのある生地に焼き上がります。
卵白を泡立てるとき、短時間で一気に泡立てると目が粗く壊れやすい気泡になるため、10分くらいかけて泡立てると、きめ細かく、なめらかで壊れにくい気泡ができます。

泡立ちを補助する役目として乳化剤を加えることがありますが、使い方には少し注意が必要です。
素早く短時間で泡立ててしまうと他の材料が混ざりきらないうちに、比重が軽くなる(目標としている数値に達してしまう)ことがあります。よって多少時間をかけて泡立てたほうが良い生地が作れます。

比重を整えることで均一な仕上がりにできるなんてすごいですよね。
お菓子づくりの秘訣を知れた気がします。
今回は生地づくりのポイントのひとつ、比重について紹介してみました。次回は卵についてご紹介します。